相模原市の障害者施設における凶悪殺傷事件に対するADF声明

7月26日未明、神奈川県相模原市の障害者施設「津久井やまゆり園」において入所者への大量殺傷事件が発生しました。
お亡くなりになられた方へご冥福をお祈りし、負傷された方に心よりお見舞い申し上げます。
障害者団体である、愛知障害フォーラムとして、この事件に対し断固抗議すると共に原因解明等を強く望むため声明を発表する必要があると判断致しました。

PDFデータ版→相模原市の障害者施設における凶悪殺傷事件に対するADF声明(pdf)

相模原市の障害者施設における凶悪殺傷事件に対するADF声明

2016年7月26日
愛知障害フォーラム(ADF)
代表  加賀 時男

愛知障害フォーラム(以下、ADF)は、身体障害、知的障害、精神障害、発達障害、難病などの障害種別や立場、考え方の違いを超えて、障害当事者や家族の団体、そして支援者などの関係団体、県下29団体が一緒になって、障害者の権利擁護と愛知県における障害福祉施策の充実のため取り組みをおこなっている団体です。
2016年7月26日未明、神奈川県相模原市の障害者施設「津久井やまゆり園」で、障害者19人を殺害、26人に重軽傷を負わせる極めて凶悪な事件が発生しました。
この事件により、お亡くなりになられた皆様のご冥福をお祈りし、負傷された皆様に心よりお見舞いを申し上げます。  報道機関等によると容疑者は、深夜に施設に押し入り、障害者を刃物で次々と襲い殺傷したということで、警察の取り調べに対して「障害者なんていなくなればいい」という趣旨の供述をしていると報じられています。
もし、このことが事実であるとするならば、障害者は「あってはならない存在」という優生思想・障害者差別以外の何ものでもなく、障害者の人権を踏みにじるこの行為は決して看過することはできず、強い憤りとともに、断固抗議いたします。
日本だけではなく、世界中の障害者による長年の取り組みが実を結び、障害者の人権や基本的自由の享有を確保し、障害者の固有の尊厳の尊重を促進するための障害者権利条約が国連で採択され、日本も2014年2月に批准しました。
障害者権利条約の理念を反映した障害者基本法の第1条では「全ての国民が、障害の有無にかかわらず、等しく基本的人権を享有するかけがえのない個人として尊重されるものである」と示されています。
更に本年4月から、障害者差別解消法が施行され、「障害の有無によって分け隔てられることなく、相互に人格と個性を尊重し合いながら共生する社会の実現」が謳われています。今回の事件は、これら条約や法律の理念を根底から覆す行為であり、決して許すことは出来ません。
私たち愛知障害フォーラム(ADF)は、今回の事件に対し、強く抗議をすると同時に、障害者は「あってはならない存在」とする優生思想・障害者差別をなくすために活動をしていく決意です。

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